先を明るく見て


地震の日以来、毎日いろんなことを考えました。


私は今回の地震の被災地となったある町の出身で、東北には親戚がたくさんいるのです。


私の実の両親は、私が10代のときに離婚、様々な事情があり大学卒業後に実父と絶縁。実父はいわゆる毒親だったので、その後の消息はあえて知ろうとも思いませんでした。

まだ生きているらしいとか、こんな仕事をしているらしいとか、今でも昔の家に住んでいるらしいとかいった程度の情報は入っていましたが、全く興味もありませんでした。

実父との絶縁後は父方の親戚とも縁が切れました。孫の中でも私を特にかわいがってくれた父方の祖父の葬儀にも、結局出ませんでした。

10年ぐらい前に母が再婚し、今の父とはとても仲良くやっていて、実父や父方の親戚について何か思うことはほとんどなくなっていました。


でも、あの日以来、時々出口のない思いにとらわれるときがあります。


交流がなくなったとはいえ、血のつながったおじやおば、昔は一緒に遊んだこともあるいとこ達はみな無事だっただろうか、とか。

毒親とはいえ実の父。判明している死亡者リストに名前が入っていないので、おそらく彼は生きてはいるでしょうが、今どうしているんだろう、とか。

彼に周囲にこんなときに支えてくれる人はいるのかとか、60を過ぎて今後どうやって生計を立てるのかとか…。


だからといって、実父の状況をあえて知りたいわけでもないし、知ったとしても支援するとかそういう関わりを持ちたいとも全く思わないんですけどね。


いろいろ複雑です。


実父はともかく、いとこやおじ・おば達はみな無事でいてほしいと祈ることしかできません。


生まれ育った町の一部が津波で破壊されていく映像には言葉を失い、いまだに実感がわかず悪夢としか思えませんが、そんな中でも母方の親戚がみな無事だったことは、本当に何よりでした。


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私は、私ができる限りの被災地への支援をしていこう、と思っています。

被災地出身の人間のひとりとして、これからずっと応援をし続けていくこと。心をいつも向けていくことを自分に誓いました。


東京で今できることは、まず募金と節電。自粛ムードにとらわれず、極力普通の生活を続けて、経済を回すこと。

そして、うちにも犬がいるので、被災動物支援のための募金や物資の送付。

それから、今後の復興の過程の中で、積極的に地元産の農産物や海産物を購入し、観光や里帰りの足を決して止めないようにすること。


余震は怖いし、原発事故の今後も心配ですが、恐怖と不安におびえて気持ちが後ろ向きになってたら生きていけません。

被災地への支援を続けていくためには、まず自分自身が元気で暮らしていくことが大事。


被災地にいる身内のことはもちろん、自粛に関すること、放射能汚染関連のこと、東電、こんなときに都知事選、と日々思うことは本当にたくさんあって、考えれば考えるほど気持ちが沈みそうになりますが、とにかく先を明るく見て前を向いて普通どおりに生きていこう、と思うばかりです。