予定日はジミー・ペイジ
静岡の旅で読んだ本。
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/07/28
- メディア: 文庫
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先日、NHKで「八月の蝉」の再放送をたまたま観てからというもの、角田光代さんの本にはまっております。
で、著作をAmazonでまとめ買いしようと思ったら、この本を発見。「予定日とツェッペリンの関係はなんじゃ!?」と不思議に思ってしまうタイトルに惹かれて、とりあえず買ってみたのでした。
感想: いや〜、おもしろかった〜!
こんなに夢中で読んだ本、特に小説は久しぶりです。時々声を出して笑ってしまって、新幹線の車内でもニヤニヤしてばかり。面白すぎる。
初めての妊娠を素直に喜べない、落ちこぼれ妊婦のマキちゃんの日記形式で話は進むのですが、このマキちゃんがホント、自分に正直でかわいすぎるのですよ。
プレママクラスのキラキラ感についていけなくて「うるせえうるせえ!」と叫んだり、落ち込むと居酒屋に行ったり、マタニティハイになりきれないところがたまらなく愛しかったです。
私は妊娠したことがないのですが、近年授かり待ちになってから「妊娠・出産」がらみのものを見るようになって、ものすごくキラキラしているな〜とか、自己啓発やらスピリチャルやらな印象すらあるな〜とか、正直言って「私には無理だ〜、絶対ついていけない〜」と思っちゃったりしていたんですよね。
でも、マキちゃんの「日記ノート」を読んでいるうちに、いつしか「妊娠って楽しいものなのかも」と思い始めていました。
夫のさんちゃんがまたいいのよね。脳天気なようで、でも実はしっかり考えていて、何より妻のマキちゃんに対する深い愛情があって、夫婦ってやっぱりいいよな〜、と思わされちゃいました。
「年齢的にそろそろ子ども産まないと」と思いながら、正直な部分では「でもなんかヤだ、妊娠とか出産とかいろいろと」「怖いしついてけないし私には無理だし」という全く相反する感情うずまく現在の私なのですが、「妊娠してみたい!」と素直に思わせてくれる本って初めて出会った気がします。
それでいて、角田光代さん自身の体験談ではないってところがすごいわ〜、と思いました。
他にも何冊か買ったので、これから読むのが楽しみです。